コボルドの隠れ里

多分TRPGの話とかします

第1回 デッドラインヒーローズRPG TRPG紹介

つーわけで、第一回は俺が現時点で最後にやったシステム、デッドラインヒーローズRPGだ。プレイ経験はPL2回だ。

デッドラインヒーローズRPG

デッドラインヒーローズRPG

 

ホントは今年出たもう一本のヒーローTRPGマージナルヒーローズと合わせて紹介したかったんだが、マーヒーは後日まで待ってくれ。

チェンジアクションRPG マージナルヒーローズ

チェンジアクションRPG マージナルヒーローズ

 

 

開発はロンメルゲームズボトムズアーマードコアを組み合わせたような(?)TRPG、「ガラコと破界の塔」のとこだな。「ガラコ」遊んだことないけど。

ひとことで言うと「アメコミ」みてえな世界観でヒーローになってヴィラン(悪党)と戦って遊ぶゲームだ。

①PC作成周り

PCのクラスは全部で6種類。生まれつき超人種のサイオン、後天的にヒーローになったエンハンスド、魔法や超能力を使うミスティック、科学や装備などの道具で戦うテクノマンサー、超強いパンピージャスティ、別の星や異世界から来たハービンジャーの6種類。

能力値は肉体、精神、環境(社会的地位的なの)の3つだ。ダイスで決めるが最低値が保障されてるのが嬉しいポイントだ。

3つの能力値にはそれぞれ対応する技能があって、技能レベルを振り分けられる。能力値+技能レベルが実際に判定で使う数字になるな。

異世界人とか神様のハービンジャーは能力値が高い分技能ポイントがない(器用貧乏)、パンピージャスティカは能力値が低いが技能レベルで振り分けられる数字が多い(一芸特化にできる)みたいなのがクラスの差別化になってて雰囲気出てるのがいいな。

3つの能力はライフ(体力)、サニティ(精神力)クレジット(財力・信用)の3つが対応するリソースとしてある。後者2つは消費することで自分/他人の判定成功率を+10%出来る共通能力がある。

初期作成のスキルは4つ多過ぎず少なすぎずちょうどいいって感じだな。

各スキルは結構強力で単品でも機能するんでコンボとか意識しすぎなくてもいい感じだ。データゲーに多い「この特技とこの特技を組み合わせて……あれ?結局ナンボだっけ?」てなる現象が置きにくいのは助かるな。

②ルール周り

デッドラ:d100を振るパーセンテージロール。成功率がTRPG初心者でも数字で見てわかりやすいな。逆にダメージ算出などはd6を使うぞ。10面と6面2種類のダイスを用意しよう

調査フェイズ的なのはPC達に問いかけをする「クエリー」、判定させる「チャレンジ」の2種類からなる。

クエリーは問いかけって言ってもそんなに難しくはなくて、「PC達が事件にどんなスタンスで関わっていくか」みたいなのをロールプレイするシーンだと思えば十分だ。

チャレンジは逆に判定を要するシーンで、1人1回ずつぐらい判定しながらヒーローのとしての力を示してやれ!もし失敗しても「リトライ」の回数まで再チャレンジできるから大丈夫だ。

さらにPC達は一人シナリオ一回いいロールプレイをしたとき「リマーク」というものを申請することで、「グリッド」というヒーローポイントがもらえるぞ。このリマークがかなりの発明で、「ここが俺のカッチョいいポイントだ!」をアピールしつつリソースもらえるので、みんなの記憶に残りやすいぞ

クエリーやリマークでもらえるヒーローポイント(リソース)である「グリッド」はみんなで共用、消費するとダイスの振り直し、成功率+10%、ダメージダイス増加の3つの効果から選べるぞ

戦闘は時間をコストにするカウント制とラウンド制の複合、20カウントで1ラウンドって感じだ。比較的最近のシステムで言うとネクロニカが近いんだろうか。一見重そうだが割り込みは基本ないのでオンセでも大丈夫なぐらいには結構サクサク遊べるぞ

グリッドによるダメージダイスの増加は1ラウンドごとに1個ずつ増えていくので、グリッド使えば最後の一撃のダメージがデカくなって説得力が上がるのはシンプルながらよく考えられてんなあって感じだ。

③世界観

暗いというか重い。ザ・スローターと呼ばれるめっちゃ強いバケモノをヒーロー達は辛くも倒したことは倒したんだが、ヒーロー側も犠牲者多数、今悪に立ち向かえるのは世界トップクラスのヒーローであるPC達だけという割と世界は死線(デッドライン)って感じだ。

ルルブ付属のリプレイがドシリアスだったがメッチャ熱くて評判いいな。

ヒーローである超人種とパンピーの現人類の対立があったりして葛藤葛藤アンド葛藤って感じ。

ヴィラン(悪党どものことだ)組織も個性豊かな5種類が基本ルルブで紹介されている。俺のイチオシはもちろん「地獄兵団」だ!ウォーーー!!!!

PCの耐久力を示すリソースはライフ、サニティ、クレジットで3種類あり、それぞれ減りすぎるとデスチャート振らされて最悪死ぬ。ライフが無くなると【死亡】、サニティがなくなると【絶望】、クレジットがなくなると【汚名】3種類の死に方があるのが面白いところだ。

またPCはロスト直前に「スパーク」と言ってあらゆる代償無しで一回手番(要するに攻撃)ができるドラマチックに散り際を演出できるというワケだな。

④サポート

 

サンプルキャラをはじめとした各種シートの他、公式サイトでベータ版的な体験ブックのPDFが無料配布されてるぞ。とりあえず試食的にシナリオ一本やりながらルール覚えられるという便利なシロモンだ。

他にもニコニコで公式リプレイ動画が出てたり、もう終わっちまったが公式ページで製作者とオンセできるキャンペーンを募集してたり、 果てはイメージソングが配布されてたぞ!一風変わった面白いサポートが多いな。

だが変わり種だけじゃない!一般ユーザーから集めたシナリオが公式で結構な数配布されてるみてえだ。その数現時点で19本(だと思ったらこれ書いてる間に20本になった)公式がサポートに力入れてるのが一目でわかるな

ルルブとか関連書籍が電子書籍で販売されてるのもうれしい人間にとっちゃうれしいポイントだな。検索性もいいし、かさばらねえし、無くしても必要なときにいつでも買えるしいいことづくめだな(俺はアナログ派だが)

あとはすでにシナリオ集が電子書籍で一本出てる他、9月中になんか上級だかサプリが出るらしいぜ。とりあえず買っとけ

⑤総括

ルール周りはすげえ洗練されてる。似たようなシステムはパッと思いつかねえが部分部分で見れば馴染みがある場所は多い。結構シンプルなんで初めて遊ぶ分にも問題はねえだろう。ある意味では「究極のキメラシステム」という評価も受けてたな。いろんなシステムから遊びやすい部分を持ってきて組み合わせた感じだ。

キャラ作成もセッション当日に1から作っても十分間に合うぐらいの軽さだ。カウント制と聞いて身構えるかもしれねえが処理は重くはないから大丈夫だ。カウント数をやりくりしたりするゲーム的な駆け引きはかなり楽しいぞ

グリッドが共有リソースなので管理しやすいのと、1シナリオ1回のリマークがやっぱり熱い。あとはGM向けだがサンプルシナリオの「やるべきことやったかチェック欄」が評判いいなTRPGをこれから始める人にも親切な仕様だ

世界設定もPCがヒーローなので、事件解決のモチベーションに悩まないのがありがたいな。「なぜ戦う?」「ヒーローだから」でとりあえず済むのは嬉しい。大体の人は多かれ少なかれヒーローものは見てることが多いから、世界観に対する専門知識があまり必要ねえのも好感触だ。

製作者さんはインタビューで「ボイセで3時間ぐらいで遊べるシステム」を目指して作ったみたいな話をされてたが、少なくとも事前にキャラ作成しとけばまあ余裕で間に合うだろう。

逆にフルタイムのコンベとかで午前から夜まで遊ぶとなるとシナリオ1本じゃ時間余りそうだな。ちょっと巻いてシナリオ2本前後編ぐらい遊ぶと楽しそうだ。

難点としてはルールが軽い分ロールプレイがハマらないとあっさり終わってしまう場合があるから、事前にクエリーの内容をちょっと公開したりしてロールプレイを事前に練ったりしてから遊ぶと120%楽しめるだろう。

あとこのゲームの理想のPL人数は「3人」だ。多分ボスデータもそれ前提で組まれてる。募集が少人数で済むのはありがたいが、4人以上で遊びたい場合は一工夫必要だな。

なんとなくクトゥルフやってる人らが次遊ぶのとして流入してるイメージあるが、パーセンテージロールだしいいチョイスなんじゃねえか

 基本ルルブは大体1700円。電子書籍版が値段が安定しててオススメだ。

 

満足度 90%

オススメ度 ☆5

個人的好み ☆4

こういうのが好きな人にオススメ

・ヒーロー(特にアメコミ)好き

・派手に活躍したい

・軽ゲー派

・少人数向き

・ややシリアス好き

 

 

余談:実際の遊び方の例

冒頭で言った俺が最後にやったセッションではジャスティカで手品先輩をやったぞ。

 

手品先輩(2) (ヤングマガジンコミックス)

手品先輩(2) (ヤングマガジンコミックス)

 

 

プリンセス・マギー/堂野天子というホントはすごいマジシャンなんだけど普段はマギー一族の楽しい手品を子供たちに披露して正体を隠してる女子高生ヒロインだ。

 

手品先輩は手品先輩ぐらいしか見どころがないのであんまりオススメしないぞ。☆4だ。