第6回 トワイライトガンスモーク TRPG紹介
オーケー、相棒(チューマ)。久しぶりだな。諸事情でなかなか時間が取れない*1が、たまに気晴らしに書いてみたいと思うぞ。
今日は「トワガン」ことトワイライトガンスモークの紹介だ。
トワイライトガンスモーク (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: 小太刀右京,チーム・バレルロール,(協力)F.E.A.R.
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 単行本
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ポストアポカリプスでサイバーパンクな世界で、「デイブレイカー」というナノマシンサイボーグ的なのになって戦うゲームだ。
2013年発売、開発はFEAR、著者は"ハッタリ"(小太刀右京)だ。
プレイ回数はPL1回だ。
①キャラクター周り
PCはデイブレイクというすげえナノマシンの力をその身に宿したデイブレイカーと呼ばれる存在だ。主に生活費のためにいろんな依頼をこなしていくことになる。*2
基本はいわゆるクラス制だ。3つまで組み合わせられるぞ。止めて、引くスイーパー、白兵のサムライ、コマンド―で説明が終わるターミネーター、説明するのもアホらしいニンジャ等の他、ハッカーやフィクサーといったクラスがあるのがサイパンとかピカレスクものって感じでなかなかいい感じだ。
種族クラスにはサイボーグ化されてない生身の*3バーバリアン、完全義体のフルボーグ、ゾンビ化したネクロソーマ、メタガから来たメルカパなどがある。こっちは1キャラ1個しか選べないぞ。
基本はだいたいいつものSRSだがこのゲームの初期作成ではいきなり経験点90点の下駄を履かされて作成することになるので、大体6レベル帯が初期作成キャラクターのレベルだ。一般的なSRSの初期帯が3レベルなことを考えるとちょい重いな。
あとはOVDという3つの切り札*4がある。暗夜断罪≪ダークナイト≫とか四文字熟語(?)にかっこいいルビが振ってある感じだ。
SRSにしちゃ珍しく常備化ポイントではなく所持金でアイテムが管理される上に生活費とかにもデータがある。雰囲気重視だな。
それに合わせて社会的HPとでもいうべき威信点というポイントがある。0になったままセッションが終わると社会的に抹殺されてキャラロストだ。
②ルール周り
ルール周りはSRS、スクウェア戦闘だったりメタガにかなり近い感じだ。発売時期も近いしな。
結構好きなのが魔法攻撃・防御枠が電脳・防壁値で表されてるあたりだ。「ゴーストハックして相手の電脳を焼き切ってダメージを与える」攻撃が出来るぞ!
オープニングとエンディングに専用のチャートがあるので、困ったときはこれを使うといいだろう。オープニングチャートの方はそのまま「~というわけで依頼を受けることになった」と集合シーンにつなげられる感じだ。無難なリアリスティックとやりたい放題なシネマティックの2種類があるから好きな方を振るといいだろう
ミドルもいつものSRSに加えてランダムイベント表があって情報収集の前にいろんなことが起こる*5。
ダイス振るだけの単純作業にとどまらず リソース管理の駆け引きがあるのは悪くないな。ちょっと重いけど。
③世界観
2XXX年、世界は核の炎に包まれた!文明は滅び!ゾンビは湧き!汚染された大地には犯罪者とクリーチャー達が跋扈する!コンピューターは終末を告げた!貧しき者は搾取され!富めるものはさらに富み!さらに富むものは肉体の殻とこの星を捨てる!地球は地獄と化した!
だが!一抹の希望も残っている!地球再生ナノマシン「デイブレイク」とそれをその身に宿す者たち「デイブレイカー」だ!
世界滅亡まであと7年!デイブレイカーの!否!人類の明日はどっちだ!!!
早い話がニンジャスレイヤーと攻殻機動隊と北斗の拳とfalloutあたりをベースにシティハンターとB級ハリウッドアクション映画をやる感じの世界設定だ。
シティものがやりやすいディストピアな多元輻輳都市(スプロール)と、荒廃した世界のウェイストランドが主な舞台装置だ。ヒャッハー!!!!!
時空振動弾的なのがブチ込まれてていろいろ世界がごちゃ混ぜになってるから大体のB級臭いことはできるぞ。ハッタリゲーによくあるヤツだな。
コンピューターが予測した世界の終末が7年後に迫ってるってのもミソだ。これを覆せる可能性があるのがデイブレイカー、つまりおまえ達だ。
④サポート
公式サイトにおまえに必要なモンは一式揃ってる上に、GF誌でハッタリが書いたプレイエイドの記事が載ってるから良ければ目を通しておくといい。シナリオもいっぱいある。ひとことで言えば「結構充実してる」。
追加クラスデータが載ってるリプレイも一冊出てるようだ。
トワイライトガンスモーク リプレイ サイレント・デイ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
- 作者: すがのたすく,チーム・バレルロール,(協力)F.E.A.R.
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2015/03/30
- メディア: 単行本
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⑤総括
「なんかすっごいB級になったトーキョーN◎VA」って感じのイメージのシステムだ。
システムも世界観も全体的にめちゃくちゃ泥臭いので好きな人にはたまらないみたいだが、もうちょっと何とかならんかったのかと思わんでもないぞ。
世界観に関しちゃ割と好みな方だな。ごちゃまぜ感と再現重視はハッタリって感じだ。全体的に漂うB級~C級テイストはオサレシステムが人気な現代TRPG環境に一石を投じる泥ドロさだ。
初期作成のキャラがなぜか6レベル帯の下駄を履かされて作らされるというシステムはPCが強キャラというフレーバー的には悪くないし構築の幅は広くて楽しいんだが、なんで遊びやすさがウリのSRSで処理するデータを減らしたいだろう初期作成帯でわざわざ重くしてるのかちょっと分からないな。フルスクでやる分にはカスタマイズ性が高くていいんだろうが、クイックスタートでやるには別に3レべでいいんじゃね?って感じだ。
初版の誤植が死ぬほど多いのもマイナスポイントだ。ルルブ付属のサンプルキャラシートが使い物にならないレベルのようだ。エラッタされてる公式サイトのPDFを使え。
各フェイズには専用のチャートが用意されてるので、ある程度手酌でシーンを作れるプレイヤーじゃないとちょっとつらいかもな。下駄の件も含めるとぶっちゃけTRPG初心者にはあんまり優しくないシステムだ。
ちょっとTRPGに慣れてて、サイバーパンクものが好きだけど、N◎VAやらシャドウランやらはちょっと格式高くてとっつきづらそうみたいなわがままBOYに最適なシステムだろう。*6実際、サイバーパンクものの中じゃ一番遊びやすいシステムなんじゃねえかな。流行ってないけど。
満足度 70%
オススメ度 ☆3
個人的な好み ☆4
こんな人にオススメ
・サイバーパンクものが好き
・ハードボイルドっぽく遊びたい
・B級映画のボンクラ感が好き
・N◎VAとかシャドウランはちょっと格式高すぎる
遊び方の例
ダイスに従った結果、ネクロソーマの聖職者のお姉さん、リリィさんで遊んできたぞ。
ライフパスが宗教結社で修業して弱者を守るというサイパン世紀末らしからぬ聖戦士感が漂ってたのでネクロニカR25的なコンセプトにしてみることにしたぞ。
- 作者: 神谷涼,愛甲えめたろう,器械
- 出版社/メーカー: Patch Works
- 発売日: 2011/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 27回
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純白の衣装に身を包む聖職者でありながらその肉体は血まみれゾンビであることのギャップと葛藤みたいなアンビバレンツ感をやりたかったがまあパッとやるには難しいキャラ性だったな。データとしてはやたら硬かった。タケミカヅチしたらメルカバが死んだぞ。
あらあら系お姉さんロールの引き出しも増やさねえとな。