コボルドの隠れ里

多分TRPGの話とかします

TRPG の科学② シナリオ作成の科学 誰でも簡単に60点ぐらいのFEARゲーのシナリオが作れる講座

超久しぶりだな一応ひと段落ついたので久しぶりに帰ってきたぞ!

 しばらくいないうちに世間じゃバーチャルユーチューバーブームが起きたり*1だとかD & D 5版だとかTORGだとか古めのシステムがルネッサンスに版上げされまくってるが 、復帰第一弾として今回は俺がよくやるFEAR系のシステムのシナリオ作成の方法をお前らに教えたいと思うぞ 。別に余裕が出来たのにセッションの予定が全然無いからスネてるわけではないぞ。ないぞ!

題して誰でも簡単に60点ぐらいのFEARゲーのシナリオが作れる講座だ。

 ぶっちゃけFEARのシステムの設計思想自体がちょっと古い手法になりつつあるが、今の D & D復刻とかのノリで2030年ぐらいになってまた空前のFEARゲーブームが起きたりするかもしれないから一応記録として残しておくことに意義はあると思う。

もちろん他のシステムでも使えないことはないだろうから『FEARなんてだっせーよな!帰ってパスファインダーやろうぜ!』みたいな人も良かったら参考にしてくれ。

 

 基本的にはFEARゲーのスタンダード(?)のプレイヤー四人用の単発シナリオを想定しているぞ。ただPL3人までならこの方法で対応可能だ。

誰でも簡単に60点ぐらいのFEARゲーのシナリオを作れる方法は

「3人の NPC を作る」ことだ。

 大体プレイヤーたちが一度に覚えられる NPC の人数の限界はだいたい3人ぐらいだ。いうほどプレイヤー達はシナリオに興味がない(と言うと語弊があるが、多くの場合プレイヤーたちの興味は自分や他のPCとの関わり合いに注がれている) から、それ以上になると多すぎるワケだな。ロシア文学みたいに登場人物をむやみに増やすのはどうかというワケだ。

 ぶっちゃけて言えばヒロインとボスの二人でもシナリオにはなるのだが、四人用のシナリオだとそれだとちょっと薄味になってしまったりハンドアウトが4枚捻出できないから、さらに一人出して3人の NPC というわけだ。

(もちろん四人目以降の NPC が生まれることもある。個人的にPC⑤みたいな立場のぽっと出味方NPCが出てきたセッションはだいたい楽しかった記憶があるな)

 

ここからは各NPC について解説していくぞ。

①ヒロイン

とりあえず一種類のNPC はいわゆるヒロインだ。 PC①のハングアウト のコネクションに書いておくと丸いやつだな。別に美少女じゃなくても全く構わんが俺はものすごく素直な子感情薄い子になる場合が多いな。もちろん裏の顔を敵にしてもそれはそれでアツい。後に紹介する③みたいな立場になるがな。

②ボス

二種類目は完璧にPC達と敵対する奴らだ。 主人公の敵対組織の構成員であるとか春日恭二であるとかそういう立場の人だな。黒幕になる場合も多い。必ずしもメインの敵になることはなくクライマックス戦闘で出てこない場合添え物になる場合も多いな。

ライバル敵に回る元味方

三種類目のNPCもせっかくなのでカタカナ表記にしたかったがいい呼び方が思いつかねーな。シナリオクラフト的にライバルとか表現するとかっこいいんだろうがちょっとニュアンスが違う気がする。(まあ仮にライバルと呼ぶことにする)要するにシナリオにもう一味添える役割なのだが俺は「敵に回る元味方」にすることが多いな。比較的最近力を手に入れた奴とかボスに洗脳されたヒロインの兄貴とかコントロールを乗っ取られた兵器とかそんな感じだ。

こっちが実質的なラスボスになることもしばしばだ。

 

 俺が好きなサムライミ版のスパイダーマンとか見てると「ヴィランが二人出てくる」ことが多いからこの①②③の NPC の中から二人ぐらいクライマックスの敵として出すといい感じにドラマが出来上がるぞクランブルデイズであるとかシナリオクラフトとかも要するに分解するとこれに行き着くっぽいからみんなも分析してみてくれ。

ただ、現代の TRPG だとみんなボスを殴りたいと思う傾向があるみたいだから、敵のうち片方は単なる攻撃手段の水増しにするとかそういったことをやるのもいいだろう。

後はPC達のハンドアウトのコネ欄にそれぞれのNPCを書き込む。1枚余った枠には他のPCの番号NPCの別名敵対組織の名前(FHとかな)を書き込んでおくといいだろう。うまくかけたシナリオならここまでの時点でもう一ギミックぐらいなにかしら思い浮かんでるだろうからそれを書き込んでもOKだ。(NPCじゃなくて重要アイテムとかのほうがいいだろう。)まあだいたい一人ぐらいは手酌で自由枠やりたがるPLがいるもんだから無理に考えなくてもOKだ。

 個人的にうまくできたと思うシナリオは②のボスを ハンドアウトのコネクションに書かずに黒幕的な存在にするとちょっとしたどんでん返しになって楽しくなるな

その場合 PC① PC②あたりのハンドアウトのコネクションは無機物(重要アイテム)とかにしておくといい感じだ。

情報項目編

 情報項目といえのは個人的にはかなり便利な発明で、古典的なTRPG で重視されている情報収集のための「手段」はどうでもよくなるわけだ。自らの足で調べるもよし、異能で回収するもよし、シブく情報屋に頼むのもよし、個人的にはキャラクターの情報を調べるという概念が生まれることにより未知の情報を集めるというよりは「ギャルゲーの個別キャラ好感度イベント進行」とかそういった形の進め方ができるのがありがたいな。

 

 このテンプレートで必要な情報項目は最低4つ、ベストは5つだ。NPC①②③について1枚ずつ、ミドル戦闘を挟んでもう一枚だ。個人的にはおまけ要素的にもう一枚入れて5枚にするとちょうどいいとは思うな。

細かいニュアンスはシナリオにもよるが、要約すると書いてある内容は大体こんな感じだ。

①ヒロインについて

ボスに攫われるとヤバい理由を書いておく。なんかボスの計画に必要な不思議パワーがあるとかだな。

②ボスについて

ヒロインを狙っている理由を書いておく

③ライバルについて。

敵に回った理由を書いておく②か③にミドル戦闘が始まる理由も書いておくといいぞ。

 

ここでミドル戦闘を挟むのだが、正直単発セッションだと時間食ってダルいだけだから一人判定一発で終わらせるのもアリだな。一巡殴らせてダメージ合計によって何が起こるか変わるみたいなのが攻撃の練習にもなってベターだ。

ミドル戦後の情報項目はこんな感じだ。

④ボスの居場所

クライマックス戦闘に行くためのフラグだ。

⑤もう一味

ここで隠し要素フラグ的にもう一個何かを入れておくのもいいだろう。ライバルの洗脳を解く手段とかそういうやつだ。純粋にクライマックス戦闘が楽になるのとかでもいい。

 

 最後はクライマックス戦闘だ。単発セッションならあんまりグダグダ長引かせるよりは PC が一人一回ずつ全力でかっこいい演出しながらボスを殴って、最後に一番鈍足の PC①が高火力でトドメみたいなのが理想の流れだな*2

 そのためボスはなるべく早くPC達のピンチを演出するために複数回の攻撃手段を持っている必要がある。数ラウンドかかってた戦闘ラウンド1ラウンドに圧縮するイメージだな。場合にもよるが体感敵パーティー内で全部で3種類ぐらい攻撃の引出しがあるとベストだ。

エンディングは流れだ。ここまでくればPL達もどうPCが動きたがるかおのずと分かるだろう。

 

 

 これが大体の俺流の Fear ゲーのシナリオの書き方だ。後はいい感じに味付けすれば赤点ライン以上に行くからそこはうまく味付けしてくれ。

 参考になるかならないのかよく分からんが参考になれば幸いだ。ダブルクロスとかマージナルヒーローズとかあたりのSRS系統だとかは大体これで間違いないだろう。俺が知らないコドレとかNOVAとかはちょっとまた違うかもな。

個人的にドラマチックなシナリオはキャラクターとキャラクターのぶつかり合いがキモだと思っている。みんなも魅力的なNPCをいっぱい作り出してくれ

 今まで俺がうまく書けたなというシナリオは分解すると大体このテンプレートかそれを多少こじらせたやつに則っているから、 気が向いたらその中の一番無難な一本を作成時の解説を交えつつ紹介しようかなと思う。よければ見てくれ 。ただ思った以上にメモ書きだったから清書に時間がかかるかもしれないな。

 

 他のシステムなどまた書き方が違うんだろうな。個人的にはデッドラインヒーローズのシナリオの書き方が分かんねえから誰か教えてくれるとうれしい。

*1:俺のお気に入りはママことときのそらさんだ

*2:この辺をやりすぎるのがFEARゲーが接待といわれる由縁でもあるが