TRPGの科学③ PC④の科学
PC④。現実の人生の敗北者であり、常にすみっこの方に除け者にされてきたお前が、せっかくのセッションの時でも過度の自重を美徳とし、 真っ先に選ぼうとするハンドアウトがこれだ。あるいは単にお前がやりたいキャラクター像が数字の小さい PCと噛み合わないため選ぼうとするかもしれない。もしくはお前がドブに捨てた悩み多きティーンエイジャー時代の青臭いPCなぞやっていられないというりゆうかもしれない。
ガンダムのせかいで戦う妄想をするときも、テラフォーマーズ大好きおじさんのように、おまえ専用ガンダムなぞ妄想できず、普通の量産機の61戦車とかで戦ってジュアッグあたりを中破させるとか微妙な戦果を出すところを妄想することになるタイプがおまえだ。
そんなオタク・コミュニティでは大人気なPC④だが、おまえはセッションでその場の思い付きで何かをやりたいとか、面倒な設定を押し付けられたくないとか、そんな理由でPC④を選んでないだろうか。そういうやつはだいたい惨めにコンベンションのアンケートで⑤良くなかったに丸を付けて帰ることになる。
TRPGの科学三回目では、このPC④について考えてみるぞ。3回目なのに④な所に趣を感じろ。
今回俺がお前に教える PC 4の性質の一つは「前作主人公」だ。
PC④のハンドアウトのコネクションは、だいたいそのセッションのボスキャラクターにつながっている。お前のキャラクターは事件の真相と近い場所に直接繋がっているのだ。あるいは、おまえはそいつを追いかける復讐者であることも多いだろう。情報項目で何を開けたらいいかで悩むことはすくないはずだ。負けロールを楽しめ。だがお前は敗北者ではない。OPで受けた屈辱は必ず取り消させろ。
そして大事なことの一つが、PC④のPC間コネクションは、「PC①に繋がっている」ということだ。これはつまり、 PC①と絡みやすい設定を用意するとうまく作用するということだ。
大昔(おそらく昭和時代とかだろう)、田中天氏のマネをする「天プレイ」というものが流行った時代があったそうだが、アレはよくよく分析すると、天氏は実はPC③を選択しているという事実に気付くだろう。これはつまり、PC①のシナリオ軸に一番遠いのはPC③である、ということが分かるだろう。ニカラグアあたりでコーヒー畑を営みたい場合はPC③を取るとよい。逆にこのセッションにおけるPC④は、実はPC①と絡みやすいようにか、同じ高校生という共通点を持つ設定だったりする。
こう考えると、PC②とPC③の関わりは薄くなりがちであるというのが浮いてきたかもしれない。
代表的な PC④のキャラクターとしては、Fate/staynightのアーチャーだろう。まさしく「長いキャンペーンの果てに行きついたPC①」である。どのセッションでもPC①をいい感じに立てながらおいしいとこだけ持っていく。
能力値適性が白兵なのに射撃クラスで白兵やってなおかつ切り札が空間魔術とかいう支離滅裂な変態構築っぷりもPC④度が高い。多分単独行動あたりがどうしても取りたかったんだろう。
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もう一例として俺が挙げるPC④は、スパロボUXより「マークデスティニーのパイロット、飛鳥真」だ。
ファフナーのPC①、一騎に対し平井デザインという共通点により絡みやすい設定を持っている、防御特技のPS装甲がフェストゥムのデバフ対策になるビルドも良く練られている。
なぜか翔子羽佐間はバイストン・ウェルでリーンの翼のPC②をやってたりするが、それはまたいずれ教えよう。
もちろん、その場の空気感とかもあるから、今回お前に教えたことばかりが全てではないが、心の片隅に置いておけば、煙たい顔をされることは減るだろう。
お前も変態構築ばかりをやっているのもいいが、たまには ニュービー(PC①)を導き、タフな男の生き様を見せつけてやれ。