コボルドの隠れ里

多分TRPGの話とかします

第12回 「格闘アクションRPG 拳禅無双」TRPG紹介

 

注:今回は割とボロクソ言ってるんで気分害しそうなら読まない方がいいっス。ブラウザバック推奨ってヤツっス。

 

 しゃあっ!灘神陰流「拳禅無双」

 巷では「ルール変更はゴールデン・ルールで禁止っスよね」「実セッションはルール無用だろ」みたいな論争がブームになってるみたいっスけど俺には関係ないっス。前回から1年ぐらい経って世界も私的にもいろいろあったけど新しいTRPGで遊んだら紹介するっス。

 というわけで今回紹介するのはそんなゴールデン・ルールの話が巻頭でいきなり書いてある格闘アクションRPG 拳禅無双」っス。

 

格闘アクションRPG 拳禅無双

格闘アクションRPG 拳禅無双

  • 発売日: 2020/07/06
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

  格闘技が大ブームになってる架空の現代で、格闘家になって闘うゲームっス。販売元はFEAR/丹藤武敏先生っス。価格はだいたい4000円っス。

 

 

①キャラクター周り

 キャラクター・メイキングは流派クラスとスタイル・クラスを組み合わせる方式っス。流派がいわゆるボクシングとかプロレスの種目、スタイル・クラスがパワーとかテクニックとかのスタイルを表してるっス。

 一応流派は二つまで取れるんでプロレスと立ち技組み合わせてネオ・プロレスラーっスみたいなことも言えるっス。(良かったな…で…それがなんの役に立つ!)

 

 流派はメジャーな格闘技はだいたい揃ってるっス。中国拳法が八極拳酔拳、蟷螂ががあってやたら充実してるっス。相撲はないけどムエタイはあるっス。

 でもムエタイの人サンプル・キャラクターがいないっス。こ、こんなの納得できない…!

ムエタイは現実だと強いけど創作物じゃかませ扱いなんだ 悔しいだろうが仕方ないんだ。まあムエタイ選手のキャラ立ては難しそうので省かれたと考えられる)

https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%A0%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%82%A4%28%E3%83%90%E3%82%AD%29

 

 物理攻撃が打撃系、魔法攻撃が投・極技系で大別されてるっス。妥当な落としどころっスね。

 あとは加護みたいなのが「奥義」として採用されてるっス。使用回数制限はないけど使用には気合カードというリソースが必要になるっス。覚醒必殺技っスね。

 奥義のコストには表向きになった気合カードが必要になるっス。気合カードは「気合い溜め」という行動で戦闘中1ラウンドに1枚表に出来るっス。なかなか溜まんないっスね。

 このゲーム回避判定に成功しても適応ダメージが減るだけで完全に無傷とはいかないんで、そこは注意っス。割と格闘ものっぽいし殴り合ってればいつかは確実に終わるってことなんでそこはいいと思うっスよ。

  

②ルール周り

 ルールのベースはSRSっス。またSRS…このブログ、ワン・パターンっスね

 システム的な特徴としてはバッド・ステータスの付与がやたら豊富なのが挙げられるッス。

 PCが全員格闘家なので回復役とかバフ役がいなくてアタッカーばっかりなのでキャラの差別化するとしたらまあ…そうなるっスね。

 複数PCがいる場合バッステをムーブマイナーで解除しきれないぐらい与えて適用させることで優位を保つのが基本的な戦術になるっス。現実の格闘技と似た感じっスね。(TRPGはプロレス寄りだと思うんスけど…いいんスか…これで…

 

 後は奥義の使用に気合カードなるコスト必要になるっス。いわゆる格ゲーの必殺ゲージのイメージっス。公式ではトランプを使用するよう推奨してるんスけど数字もスートも参照しないのでトランプである必要は別にないっス。PC人数×10枚もあればまず足りるっスよ。一応表裏は参照するのでカード状のものが望ましいと考えられる。

同時期発売のスチームパンカーズ…トランプちゃんと使うみたいなんスけど…いいんスか…これで…

 気合カードはシーン登場時や戦闘開始時などにもらえるっス。奥義の他にも消費して達成値上昇に使えるっスよ。

 キャラクターのプライド(ライフパスで決まるロール方針っスね)に関わるロール・プレイをするとシーン1回までもらえるっス。。あんまりやりすぎてもクドいのでもらえるのはセッション1回とかで良かったんじゃないっスか…これ…(デッドラのリマークってヤツっス)

 サンプル・シナリオならだいたい使うのは1セッション6-7枚ぐらいだとは思うっスよ。結構余るっス。

 一応戦闘に参加せず観戦する時、戦闘にまつわるロール・プレイをすることでもプレイヤーに1枚もらえるっス。公園最強の生物とかインタビューが出来そうっスね。

 ただ「怒らないでくださいね データゲーなのに戦闘に参加せず観戦してるだけのPLってバカみたいじゃないですか」というのが忌憚のない感想っス。(ミドルのタイマンなら別に判定一発で良いのでは…?しかしなぜ戦闘を…?

 https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A0%E3%82%A1%3F%E3%81%A6%E3%82%81%E3%82%A7......

 

 一応実際のセッション時の注意点としては「HPはアイテムで回復だけど基本MPはシーン終了時全回復する」あたりっスね。P93の枠外に書いてあるけど流し見だと普通に見落とすんで注意っス。気力溜めの兼ね合いでミドル戦闘はやる方が望ましいっス。

 あとはブレイクが無い代わりに「奈落落ち」なる選択ルールがあるっス。殺意の波動っスね。戦闘不能時1行動出来る代わりに使うと死ぬんであまりお勧めはしないっス。

 要するにデッドラのスパークっス。デッドラインヒーローズはこのTRPG紹介の第一回なので知らない方は読んでくれると著者がちょっと喜ぶっス。

 

③世界観

 舞台設定はおおむね現代日本っスけど格闘技が異様に流行してるっス。マーシャル・アーツ・キックなんかはここでやれば多分怒られることはないっスね。(7版になってもまだやってるんスかね…?

 刃牙ホーリー・ランドや喧嘩稼業などの格闘漫画とか、餓狼伝などの格闘小説とか、ストリート・ファイターや鉄拳などリアル系格ゲーっぽい世界観だと思えば大体間違いないっス。基本リアル寄りだけどギリギリ波動拳ぐらいなら出しかねない感じはあるっス。

喧嘩稼業(1) (ヤングマガジンコミックス)
 

 公式NPCアイアン木場はいるけどスーパー独歩ちゃんはいないっス。

 住人達も喧嘩大好きで神室町の住人ぐらいには逞しく生きてるっス。TRPG的な多少のトンチキには十分耐えられるっス。タフという言葉は拳禅無双世界の住人のためにある

④サポート

  基本的な各種シートやサマリーの他に、オンライン・セッション用にユドナリウムのルーム・パックが配布されてるっス。結構出来はいいみたいっスよ。こういうのはありがたいっス。どどんとふ終了という人生の悲哀を感じますね

http://www.fear.co.jp/kzm/ 

 非公式のキャラクター・シート保管庫もあるみたいのでオンセで自作する場合は使うといいっス。愛しさとせつなさと心強さを感じますね

http://character-sheets.appspot.com/kenzen/

⑤総括

 ベースがSRSなので「外見上は複数対複数でも実質ボス1人をPC数人でフクロにするみたいな構図が非常に格闘ものっぽくないんスけど…いいんスかこれで…

 というのが忌憚の無い意見ってヤツっス。まあ「TRPGはルール無用だろ」というタイマンにこだわりが無い卓ゲヤクザは気にしないんスかね。やっぱ怖いスねヤクザは

 高速環境が基本の現代TRPGにおいてはボスが悠長に気合い溜めしてると奥義打つ前に2ラウンド目ぐらいで普通に殺られてしまうのでなんとか早めに奥義打てるように運用した方がいいっス。ドロドロの塩試合するぐらいならワンキルされた方がマシっスよ

 同エンゲージの味方のカバーリングがオートアクションで出来るので一応雑魚に庇わせて延命することは出来るんスけど、GMとしてはあまりやりたくないヤツっスね。

 奥義も加護ほどのデータ的決定力が無いのでせっかく打っても普通に耐えられることになる可能性があるっス。コストになる表向きの気合カードもセッション1回でどれか一つ打てるかなあ…ってぐらいしか溜まらないので単発セッションだとだいぶしょっぱいっスね。

 加護ゲーじゃないというと聞こえはいいんスけどSRSから加護取ったら何が残るんスかね小足で決着ついてもあまり説得力と爽快感はないっス

 

 一対一の格闘ものっぽく遊びたいならフィアスコの非公式プレイセットとかの方がプレイ・アビリティは高そうだと思うっス。ナラティブ系に忌憚がない人はやってみるといいんじゃないスかね。公式許可済みのがあるんで声かけて頂けばいつでも喧嘩上等っスよ。

https://harrowhill.rdy.jp/Games/Fiasco/Playsets/Licensed/fight_on_the_street

 逆に言えば拳禅無双の強みとしてははSRSさえ理解してればルールに則って動かしてればキャラクターが出来上がって動くしセッションがデータで担保されるので、そっちの方がいいって人は選択肢には入ると思うっスよ。

 格闘家複数人が無数の悪党の部下に立ち向かっていくB級映画みたいなテイスト(正直具体例はあんまり思いつかないっスね)は向くけど、多分格闘ものと聞いてまず思い浮かべるだろう刃牙とか餓狼伝みたいな格闘家達のプライドをかけたタイマンバトル…みたいな路線には向かないっスね。勇次郎一人に複数人掛かりで…みたいな話になるんスけどちょっと違うっスよね?北斗神拳に二対一の戦いは無いっス

 せっかく格闘ものが題材ならPC同士でミドルに「いっちょ試合すっか!」みたいなのがやりたかったけど向かないっスね。PC間同士の対決ルールもサポートされてるんスけどわざわざSRSでPC同士のタイマンやって楽しいのかと言われるといわずもがなっス。

 サプリが出たら武器戦闘で本部以蔵強化パッチを当てたいみたいな話があるみたいっス。正気(マジ)っスか?ガチでやっちゃっていいんスか?

その前にこのシステム自体が猿空間送りにされないことを祈ってるっス

 まあFEARさんはちゃんとサポートしてるそうなので、少なくとも誤植は修正してくれるんスよね?

 総合的に言うと、求められてること(様々な格闘家同士のタイマンバトル)と実装したシステム(覚醒ゲージとかの格ゲー要素の再現)とSRSの性質(PC数人vsGM)がちぐはぐで噛み合ってないというのが残念ながら正直な感想っス。

 散々愚弄したけど心は常にTRPG愛っスクセとアクは強いけど遊べないレベルではないので実際遊ぶと楽しいシステムっスよ。格闘ものへの愛は感じるTRPGっまあ「楽しいけど一回やったら満足するタイプのシステム」ではあるけど。

 

遊び方の例

 コロナ・ウイルスの影響で開催されていた仙台のTRPGで遊ぶ会さんのオンライン・コンベンションに参加させて頂いたっス。

 また他流試合…こいつ身内いないっスね…

(酷い謂われ様だな まあ事実だから仕方ないけど)

 古武術武田惣角由来の合気術とかなんかそんな設定)の継承者の女子高生、武田志保さんをやってきたっス。カウンター型投げキャラっスね。

 夢枕獏東天の獅子」のスナスロウ(志田四郎、姿三四郎のモチーフっス)を思い浮かべてたんスけどスナスロウと武田惣角がごっちゃになってたっス。読んだのが4年前ぐらいだからうろ覚えなのは仕方ないんだ。

 『~っス』口調で喋る安易なキャラ付けの宇崎ちゃんだかマネモブをやろうとしたらやたら朴訥なバトル・ジャンキーみたいな感じになってしまったんだ 手癖でやると毎回こんな感じなんだ。PLの地の性格だと考えられる。

 あんまりしゃべるのがうまく行かない時は逆にうかつにセリフ喋らず無口強キャラムーブをやるとそれらしくはなるんだ。

GMや他PLのレシーブの負担が増えるから正直あまり良くないプレイングだと考えられる

 プロレスリングお嬢様ゲーミングお嬢様)とめっちゃいい人な銭ゲバ喧嘩師(悲しい過去…)と共闘してきたっス。楽しかったっス。

 散々タフ語録で書いたけどこのセリフで締めるっスよ。

 

 みんなでセッションするから尊いんだ 絆が深まるんだ